こんにちは、田舎もん坊主です。
あくまでも自己判断ですが、私が「うつヌケ」して半年以上が経過しました。
「うつヌケ」と言っても、決してうつになる前の自分に戻ったわけではなく、うつの典型的症状である不眠や抑うつ状態がある程度改善し、普通に日常生活を送れるようになるまで回復したということです。
今回は私の経験をもとに、うつ病との上手な付き合い方をご紹介したいと思います。
なお、私のうつ病体験や克服方法については下記の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。

未だに収束の気配をみせない新型コロナに例えるとわかりやすいと思いますが、コロナは3つのフェーズに分類できます。
- Beforeコロナ・・・コロナ禍以前の状態
- Withコロナ・・・コロナと共存している状態
- Aftreコロナ・・・コロナが一定の収束をみた状態
新型コロナに関しては、今はまさに「②Withコロナ」の段階であり、いかに新型コロナと共存していけるかが議論の的となっています。
一定の活動自粛と経済活動の両輪をいかに上手く回しながら、いかに新型コロナと共存していくかが重要な時期だと言えます。
うつ病についても、コロナと同様に3つの段階に置き換えることができます。
- Beforeうつ・・・うつ病発症前の状態
- Withうつ・・・うつ病と共存している状態
- Aftreうつ・・・うつ病が一定レベルまで寛解した状態
今回はこの「うつ病」の3つのフェーズを、どのような心持ちで乗り越えるべきかを考えてみたいと思います。
Beforeうつ
私たちはいつ「うつ病」になってもおかしくない時代に生きています。
もしかするとあなたも、明日、明後日、1ヶ月後、半年後には「うつ病」になっているかも知れません。
それほど現代社会はあらゆるストレスにさらされながら、生活を送っているのです。
上記のグラフは少し古いデータですが、厚生労働省が発表した「うつ病・躁うつ病患者数」の推移です。年々増加傾向にあり、その患者数は今や150万人とも200万人とも言われています。
つまり「うつ病」は15人に一人か10人に一人がかかるとても身近な病なのです。
「仕事へ行きたくない」「今日は何となく憂鬱な気分だ」なんてことは誰もが皆経験していることですが、この状態が2週間以上継続しているのなら、もしかするとあなたも「うつ病」の入り口にいる可能性があります。
そういった場合は、一度精神科や心療内科で受診してみることをお勧めします。
最初は「まさか自分が」と誰しもが思うものですが、「うつ病」は本当に身近な病であることを是非自覚しておいてください。
ひと昔前までは、精神科というと「精神異常者が行く病院」という固定観念があり、かなり敷居が高かったのが実情ですが、現在は精神科にせよ心療内科にせよ通常の内科などと同様に院内の雰囲気も明るく、気軽に相談にも乗ってくれますので、心配や躊躇することなくまずは受診されることをお勧めします。
もしあなたがそのご家族ならば、やさしく背中を押してあげてみてください。
この記事を読んでくださっている方は、現在進行形でうつ病と闘っている方か、もしくはその兆候がある方、もしくは何らかの理由でうつ病について調べている方だと思います。
冒頭でも触れたとおり、いつ何時自分や自分の家族に襲いかかるかも知れない身近な病だということを自覚しておくことが、その後の対応に良い影響を与えると思います。
是非頭の片隅に置いておいていただければと思います。
Withうつ
うつ病に振り回されないためには、うつと上手に付き合うことが大切です。
その方法を具体的にご紹介します。
うつ病の症状は百人百様と言われています。
代表的な症状は「食欲減退」や「睡眠障害」、「抑うつ気分」などですが、以下の様な症状も現れる場合もあります。
精神的な症状としては、以下のような症状が現れるとされています。
- 抑うつ気分
- 不安・あせり
- 遠くへ行きたい・消えてしまいたい
- 興味または喜びの喪失
- 意欲の低下・おっくう感
- 自分を責める
- 会話や本などの内容が頭に入ってこない
また、身体の症状としては、以下の症状が現れたら要注意です。
- 睡眠障害
- 食欲の減退
- 疲労感・倦怠感
- 動悸・息苦しさ・口が渇くなど
- からだの重さや痛み
上記の症状に5つ以上当てはまれば、まずは「うつ病」を疑ってみる必要があります。
中でも厄介なのが「仮面うつ病」と言われるものです。
「仮面うつ病」とは、落ち込みといった気分の症状よりも、身体の症状が目立っているうつ病です。
仮面うつ病とはうつ病の一種ですが、抑うつ状態や気分の落ち込みといったうつ病に特徴とされる気分の症状よりも、倦怠感や頭痛・肩こりといった身体的症状が比較的に強く出ている状態のことを言います。
ですので、単なる仕事疲れなどとして見過ごされがちですが、「仮面うつ病」も歴としたうつ病ですので、心の症状がなくても上記のような身体の症状がある場合は要注意です。
上記のような症状が2週間以上続く場合は是非精神科や心療内科で受診してください。
もし、「うつ病」と診断されたなら、主治医から生活に関するアドバイスがあると思いますが、まずは「服薬」と「休養」を心掛けましょう。
先程も書いたとおり、うつの症状は百人百様のため、薬の種類や量も違いますし、休養の度合いも異なります。
この二つの心掛けは特に意識的に行うのが望ましいです。
軽度のうつであれば、会社員の場合でも休職せずに服薬のみで回復するケースもありますし、中度から重度の場合は一定期間の休職が必要な場合があります。
但し、軽度だからと言って、これまでどおりの仕事量や仕事の質をこなしていたのでは何の休養にもなりませんので、会社と相談しながら、仕事の量、仕事の質を変えてみる必要があります。
いわゆるペースダウンですね。
あとは、主治医の指示どおり服薬を忘れないようにしながら意識的に心の負担を減らすようにしましょう。
問題となるのが中度から重度の「うつ病」と診断された場合です。
必ずしも主治医が「中度」とか「重度」といった言葉を使うとは限りませんが、休職が必要と判断された場合は「中度」または「重度」と捉えて問題ないと思います。
突然「休職宣言」をされると、大抵の人は戸惑うと思います。
「自分が休んで仕事は大丈夫か!?」「家族に心配を掛けるのではないか」などなどいろんな不安が頭を過ぎります。
ここで重要なのがいかに頭を切り替えできるかということです。
仮に癌にかかったとしたら、治療のために必然的に会社を休職せざるを得ないのと同様に「うつ病」も癌同様歴とした脳の病であるという意識をしっかり持ち、「今は休むのも仕事のうち」と気持ちをしっかり切り替えることがとても重要です。
決して「たかが心の病気」と高を括らず、「休養してしっかり治すことが今の仕事」という意識を強く持ちましょう。
恐らく中度から重度のうつ病を患った場合、頭ではわかっていてもとても悲観的に物事を捉えてしまうことになります。
私の場合は、常にうつ病に心も身体も完全に支配されていました。
具体的には以下のような感情に捉われてしまいます。
- この苦しみから何とか逃れたい
- とにかく消えてしまいたい
- いっそう死んでしまいたい
- 何もやる気がしない、手に付かない
- 風呂に入れない、歯も磨けない
- 日中辛すぎて、寝たいが眠れない
- 食欲が殆どない(特に朝と昼)
- 何故自分がこんな目に合わないといけないのか
書き出せばキリがありませんが、毎日が地獄のように辛く、悲しくどうしようもない状況に追い込まれることも珍しくありません。
この状況をどう乗り切るかは、ウルトラCのような特効薬はありませんが、ひとつ言えることは必ず時間が解決してくれるということです。
私の場合まだ短い方かも知れませんが、丸々1年間は上記に記載の状態が続きました。
しかし、今はパートですが仕事にも行けるようになりましたし、こうやってブログを書く意欲も出てきました。
私もそうだったように、渦中の人にはなかなか伝わらない言葉(メッセージ)かも知れませんが、決して諦めず将来の回復している自分を夢見て過ごして欲しいと思います。
Afterうつ
うつ病は必ず治る病気です。
ただその期間はひとそれぞれであり、うつ病と共に過ごした期間何を考え、どうやって過ごしてきたかが後々の生活にある程度の影響をもたらすのだと思います。
Withうつの渦中は、1日1日を生きるのが精一杯なのですが、今日1日を生き抜いた事に自分を褒め、感謝することはとても大切な事だと思います。
これだけは誤解して欲しくないのですが、うつ病が寛解するということは、決して元の自分に戻るということではないのです。
うつ病を経験したことで、自分の性格や弱点、これまでの生活の反省点をあぶり出すのです。
そして、うつ病の再発予防としてそれらの活かすことができるようになることが、いわゆる「After うつ」に求められることだと私は信じています。
今回は、3つのフェーズでのうつ病との上手な付き合い方をご紹介しました。
うつ病を克服するためには、それぞれのフェーズの大切さを理解し、上手く付き合っていくことが大切だと思います。
最後に私がうつ病を経験してみた教訓をご紹介したいと思います。
金銭的財産も失った。
引き換えに幸せな人生とは何かを知った。
何気ない日常がどれだけ満たされたものかを教わった。
うつ病はとても辛いけど、得るものも大きい。
こんな当たり前の事がわかるのに何年もかかった。
人生遠回りも必要だ。
繰り返しますが、うつは誰にでもかかる身近な病です。
しかし必ず時間とともに改善し、最後には寛解できる病です。
もちろん辛く苦しい期間もありますが、そのトンネルから抜け出た時、きっとあなたの人生はより豊かなものになると思います。
下記の記事もあわせてご覧いただければ幸いです。




コメント