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こんにちは、田舎もん坊主です。
今や国民病とも言われるうつ病ですが、その罹患者数は年々増加傾向にあります。
厚生労働省のデータによると、日本国内の罹患者数は、平成26年は392万人、平成29年では400万人を超えています。
また近年のコロナ感染拡大によりさらに多くの方が、うつ病やうつ病の前兆と言われる心身症状が見られるようになっています。
うつ病の特徴は、これまで元気に働いていた人が突然心身の不調を訴えるという点が挙げられます。
うつ病になる人は、真面目で責任感が強く、日頃弱音を吐かない人が多いため、本人は何となく体調の変化に気付いていても、周りが気づかないというケースが多いのです。
ですので、周りの家族や職場の同僚が本人の変化に気付いてあげることが大切なのですが、なかなか難しいのも実情です。
もし大切な家族や職場の同僚がうつ病になったら、どのような言葉を掛けて良いのかとても戸惑うと思います。
本人を励ますつもりで「頑張って」というのはNGワードと言われますが、果たしてどうなのでしょうか。
これまで頑張ってきた結果うつ病になったのですから、確かにこれ以上頑張れというのは本人にとってはとても酷な話しです。
一方で本人は「自分が頑張らなきゃ」と思う気持ちも強いので、まずは頑張りすぎないことの大切さを伝えつつ、効果的に使うことでプラスに作用することもあるのです。
今回は、長らくうつ病を患った私が感じた「周りの人に言われて嬉しい言葉」をまとめてみたいと思います。
- 家族や職場の同僚がうつになってしまった方
- うつ病の人にかける言葉がわからない方
- うつ病を少しでも改善させたい方
では、うつ病の人にはどのような言葉を掛けるのが良いのでしょうか。
何より大切なのが相手に寄り添う気持ちです。
相手を心配しているつもりでも一方的な言葉はさらにストレスを与えてしまうことになりかねません。
- 元気ないね、大丈夫?
- 〇〇さんなら大丈夫だよ
- 〇〇すれば元気になるよ
- その仕事は大変だから、私がやるよ
などの言葉は、一見相手を気遣った言葉のように思われますが、本人にとっては逆に惨めな気持ちになってしまうことがありますので注意が必要です。
さも相手の気持ちを理解したかのような「知ったかぶり」の発言も相手の気持ちを遠ざけることになります。
また、期限を切ったような発言も相手に過度なプレッシャーを与えるので避けるべきです。
- 1週間休めばきっと良くなるよ
- この仕事〇〇までにやってくれればいいよ
などの言葉も相手に配慮した言葉のように思いますが、避けるようにしましょう。
もちろん一番良くないのは、自分の都合や気持ちだけをぶつけてしまう言葉です。
- こっちも大変なんだ
- もっと頑張ってくれなきゃ困るよ
- 早く良くなってまた頑張ってね
これらの言葉は、全く相手の気持ちに配慮しておらず、相手を追い込むことになるので絶対避けるようにしましょう。
では、相手に寄り添う気持ちや言葉とは何なのでしょうか。
とても難しいのですが、一方的ではなく、相手の気持ちを推察しながら一緒に治していこうとする姿勢や言葉ということです。
では具体的にどのような言葉が良いのでしょうか。
今まで頑張ったもんね
うつ病になる人は頑張り屋の人が多いので、今まで頑張ってきたことを労ってあげることはとても大切です。
「自分のことを理解してくれてるんだ」という気持ちになり、「自分は頑張り過ぎだったんだ」とうつ病になった原因を理解することにも繋がります。
他にも「辛かったね」などの言葉も相手の気持ちを理解してあげる言葉として有効です。
特にうつの初期の段階では、とても効果がある言葉になりますので相手のこれまでの頑張りを労うようにしてあげてください。
ゆっくり治そうね
うつ病になってしまうと、これからどうしていいのかわからなくなります。
「自分の頑張りが足りないのではないか」や「頑張って早く治さなきゃいけない」と言った気持ちになりがちです。
このような気持ちはポジティブに捉えがちですが、うつ病の人にとっては症状を悪化させる天敵となります。
「今は頑張るより休む事が先決」であることを周りの人がしっかり教えてあげることが大切なのです。
決して治すまでの期限を設定したり、「頑張って治す」などといった本人の努力を促すような言葉は使わずに、あくまでも自然に身を委ねながら一緒に治していこうという気持ちを相手に伝えるようにしてください。
できることがあったら言ってね
過度に気を使いすぎて、何でもかんでもやってあげるのは良くありません。
基本的には本人の意向を尊重しつつ、何かあればサポートしてあげるくらいの姿勢が望ましいと思います。
もちろん「これくらいできるでしょ」と言った一方的な考えを押し付けるのは絶対に避けてください。
あくまでも本人の体調や意向を尊重し、付かず離れずくらいのスタンスで接するのが本人にとっても自分にとっても負担が少なくベストな方法だと言えます。
生きていてほしい
うつ病が悪化すると、多くの方が希死念慮(きしねんりょ=死にたいという願望)に襲われてしまいます。
家族や職場の同僚が一番恐れているのは希死念慮だと思います。
もちろん本人も望んで希死念慮を抱くわけではありません。
「生きる希望がない」「消えてしまいたい」という感情と言った方が正確かもしれません。
このような感情はどんなに近しい家族や職場の同僚であっても、本人から口にすることは少ないでしょう。
悩みに悩んだ結果このような考えにたどり着いてしまうのです。
このような感情に支配されるようになると、必ず行動面にも現れるようになります。
身辺整理を始めたり、そわそわと落ち着かない行動が目立つようになったり、それとなく死をほのめかすような発言があるかも知れません。
このようなちょっとした行動の変化に周りが気づいてあげることがとても重要です。
このような行動の変化に気づいたら、まずはそれとなく声を掛けてあげる方が望ましいと思います。
声を掛けると逆効果になると思われるかも知れませんが、本人はそのような気持ちになっている事に早く気づいてほしいと思っていることが多いのです。
- 大丈夫、辛い?
- 何でも相談してね
など、相手の気持ちを引き出してあげるような言葉を掛けてあげるのはとても大事です。
そうすれば、本人からは言い出せなかった辛い気持を話すきっかけになります。
とにかく本人は辛い気持ちを誰かに聞いてほしいのです。
このようなサインを見逃さず、声を掛けてあげるようにしてください。
そして本人からもし「死にたい」などの発言があるようなら、とにかく「生きていてほしい」「生きているだけで十分」という気持ちをちゃんと伝えてあげてください。
「こんな自分でも必要と思ってくれてる人がいる」ということを確信できれば、心も和らぎ、希死念慮も徐々に薄れていくのではないかと思います。
以上が私がうつ病になった際に心が和み、励まされた言葉です。
もちろんこれら以外にも家族や同僚からのたくさんの言葉に励まされました。
本当に感謝しています。
「頑張れ」という言葉も、うつの初期にはお勧めできませんが、ある程度症状が回復し、本人の意欲も回復してくると背中を押してあげることに繋がると思います。
決して無理をさせるということではなく、「適度に頑張って」という意味合いで使うようにしましょう。
ちょっと話しは逸れますが、もし可能であればペットを飼うことをおすすめします。
うつ病になると孤独感を感じやすくなります。
しかし例え家族であっても24時間一緒にいてあげることはできません。
そんな孤独を癒してくれるのがペットです。
ペットは言葉こそ話しませんが、とても感受性が高く人間の言葉や気持ちを理解する能力は非常に優秀です。
できれば犬の方がおすすめですが、ペットを飼うことで心と身体に癒し効果があることは科学的にも証明されています。
家庭環境や状況が許すのであれば、ペットを飼うことを検討してみてはいかがでしょうか。
ペットの癒し効果については、下記の記事でまとめていますのであわせてご覧ください。
以上が私の経験にもとづく「うつ病の人が言われて嬉しい言葉」です。
あくまでも個人的な意見ですので、すべての人が同じように感じるかどうかはわかりませんが、少なくとも相手の気持ちに寄り添う姿勢や、傾聴してあげることの大切さは変わらないと思います。
身近な人がうつ病になると戸惑うことばかりだと思いますが、慌てず冷静に対応することが大切だと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。